留 学 記

本田 崇

平成28年4月からシンシナティ小児病院の循環器部門に留学させていただいている本田崇です。こちらではDr. Redingtonの研究室でPost-doctoral Fellowとして基礎および臨床研究に従事しています。小児科ホームページへ寄稿する機会をいただきましたので、こちらでの留学生活を少し紹介させていただこうと思います。

シンシナティはアメリカ中部、オハイオ州の主要都市のひとつで、オハイオ川に面した風光明媚な場所です。日本ではあまり知られていませんが、シンシナティ小児病院はU.S. NewsのHospital Rankingでアメリカ国内の小児病院の中で第3位にランキングされており、街の人々はこの病院を誇りに思っているようです。実際に、私のいる14階建ての研究棟のほかに2つの大きな研究棟があり、非常に充実した設備のもと、多くの人々が研究に従事しています。臨床面に関しても、世界中から患者さんが受診され、最先端の診療が行われています。

研究室では「心筋虚血と炎症」をテーマにしたプロジェクトに携わっています。基礎研究にはこれまでほとんど携わったことがありませんでしたが、基礎的なウェスタンブロットやPCRをはじめ、さまざまな手技を習得し、今では多くのことができるようになりました。非常に興味深い結果も得られてきているので、最終的に1つの形にできればと思っています。同時に、新しい科学的知見を見出すことがこれほどまでに困難なことなのかと痛感しております。臨床研究に関しては、今まで日本で携わっていた先天性心疾患の血流解析に関する研究を行っています。留学当初はなかなかこちらの臨床医に取り合ってもらえない日々で非常に苦労をしましたが、ようやくプロジェクトが軌道に乗りはじめそうです。幸運にも臨床カンファレンスへの参加やカテーテル検査室への出入りも許可していただいており、アメリカでの小児循環器診療を学ぶ重要な機会となっています。

海外生活に関しては、留学当初は文化の違いに戸惑うことが多く非常に苦労し(どこが違うのか、表現するのはなかなか難しいのですが)、1年くらいかけてようやくこちらの生活に慣れました。このように文化の違いに何とか時間をかけて順応できたことは、われわれの家族にとっても人生の大きな糧になると思います。また、多くの日本人研究者の仲間ができたことも留学して非常によかったと思うことの1つです。同じように他大学の医局からいらしている似た境遇のドクターの方々はもちろん、薬学や生理学などの基礎研究者の方々とも仲良くしていただいています。いつも励ましあいながら、みなでがんばっています。

学生時代より海外留学にとても興味があり、石井教授はじめ多くの先生方にご協力いただいて挑戦することができました。いざ来てみると実際には思い通りにいかないことばかりです。しかしながら、留学してはじめて知りえたこともとても多く、こちらに来てよかったと思っています。残りの留学生活中も山あり谷ありだと思いますが、楽しみながら自分なりにベストを尽くしたいと思います。最後になりましたが、快く海外留学の許可をくださいました石井教授はじめ医局員の先生方に、この場を借りて感謝申し上げます。

Dr. Redingtonのリサーチチーム
シンシナティ小児病院
シンシナティ小児病院(研究所)